「うちの食器棚」展がはじまりました。

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CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店で、「うちの食器棚」展 ― 赤木家の食器棚が語るうつわ作家30年史がはじまりました。

輪島の塗師・赤木明登さんが智子さんと出会ってから、ちょうど30年。その間、おふたりが買いつづけ、使ってきたたくさんの器。この30年は、現代日本の食器文化が大きく様変わりした時代でもあります。おふたりが選ぶ30点は、おのずとその移り変わりをあらわすものになりました。こちらのガラスケースでは、書籍「うちの食器棚」(とんぼの本・新潮社)に掲載された器の実物を展示しご紹介しています。

そして会場では赤木明登さんご自身の漆器作品をはじめ、おふたりが選ばれた選りすぐりの作家たちの作品も一堂に集め展示販売しています。

赤木明登、井畑勝江、吉川千香子、小野哲平、三谷龍二、横山秀樹、荒川尚也、仁城義勝、李英才、秋田小夜子、安藤雅信、内田鋼一、荒木義隆、大嶺實清、上泉秀人、岡晋吾、隆太窯、岡田直人、艸田正樹、新宮州三、佃眞吾、広川絵麻(敬称略)。

これだけの錚々たる作家さんの作品をいちどに鑑賞しお求めいただける、なんとも貴重な機会です。赤木家の食器棚の世界、選ばれた器どうしの調和を味わいながら、ゆったりとお過ごしください。

また初日の10月19日(土)には赤木明登さん、鈴木心さん(写真家)、山本千夏さん(gallery yamamoto 店主)によるトークショーも行ない、たくさんのお客さまがお集まりくださいました。

若い同世代である鈴木さんや山本さんの審美眼が見つめ問う、これからの時代のプロフェッショナルなものづくりとクリエイティブ。赤木さんの「技術力の誇示や自己表現のためではなく、普段日常で人が使うのにちょうどよい器を適正なクオリティ・量・価格で作りつづける」穏やかな姿勢。

「はるか昔から人の生活は食べたり飲んだり笑ったり泣いたり眠ったり、おそらくほとんど同じことを繰り返してきました。変わったのは身の周りの道具だけ。しかしお椀は変わりません。変わっていない道具は珍しいのです。その、生活の最も基本的なところを担ってきた漆のお椀というものを追い求め、現代の照明環境できれいに見えるようにと考えつつも、自分のオリジナリティではなく過去から未来に繋げるような感覚で作っています。」「食べることは外界を自分に取り込んで自然との境界をなくすための最大の行為。そこに器が媒介する意味を考えます。自然の材料を加工しながら自然のなかにあるリズムとシンクロして作りだした器から『わたし』がなくなっていくことが理想です。」(赤木さん)

赤木さんご自身による漆器づくりや器選びの根底に共通して流れる感覚に触れる、貴重なお話を伺うことができました。そしてお3方どうしの世代を越えた信頼関係や器への愛情から共同して繰り出される今後の著作や展開も楽しみです。

「うちの食器棚」展 ― 赤木家の食器棚が語るうつわ作家30年史の会期は、11月10日(日)まで。どうぞお早めにお越しください。

「うちの食器棚」展 赤木家の食器棚が語るうつわ作家30年史

[会場]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店
[会期]開催中〜11月10日(日) 11:00〜19:00