CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店では、「古賀 充 展 still life」を開催中です。
2011.3 開催「古賀 充 展 manufacture」
2011年 CLASKA での最初の個展「manufacture」のときに発表されたダンボール作品「BOX」に始まったフラット作品はその後、木箱、ワイヤーバスケット、ペンキ缶と新たな素材とモチーフを取り入れながら古賀さんの一つの表現スタイルとしてシリーズ化されていきました。
今回の展示で古賀さんが新たに挑戦されたのは、これまで素材ごとに単体で表現していた作品を、同じ画面上に配列して構成するというフラットシリーズ初のコンポジション作品群。
「作業場にある作品の試作や道具、素材などを並べてみているうちに、
それがひとつの風景のように見えてきました。
これは作業場にある風景をモチーフにした静物画です。
作ったものと作られたもの、作品と作品でないもの、立体のものと平面のもの。
それらがつながり合うところを探しています。」
今回の展示に向け、古賀さんにお寄せいただいた言葉です。
ワイヤーバスケットに紙箱、ペン立ての缶。
制作の工程も質感も異なる3つの作品を一つの額に収めるのは、それだけでも大変に緻密な手作業を要することが想像できます。それに加え、僅かな額の厚みの中に生まれる影、もの同士の重なり、全体の配置やサイズ感など。額の中で生まれる関係性も相まって、とても自然でリアルな作業場の風景に。少しずつ異なる、作業場の風景の静物画 =「still life」が、6点並びました。
バスケットの中にあるポストカード、箱に入った紐やクリップ、缶にささったペンや定規はどれも「作られたもの」。一つの角材から本物と見紛うようなハケや鉛筆を削り出す古賀さんなので、中に入った一つ一つのものも古賀さんが制作したものなのかと思いきや、すべて本物の手紙やペンだと言うのです。
ポストカードは過去に海外で手に入れたもの、クリップや定規は本当に作業場で使っているようなもの。人工物を、手を加えずそのまま使うのは、古賀さんとしても珍しい試みだそう。作品ではない「作られた」ものが、作品である「作ったもの」の中に入ることで、作品の一部になる。その新鮮な気付きと、奇妙で楽しい関係性も、このコンポジション作品の面白みの一つです。
最新作のほか、過去の作品も少しずつご用意いただきました。今回の新作に至るまでのフラットシリーズも、それぞれの素材やモチーフの不思議な魅力が表現されています。
最新作は風景のように全体を眺める面白さを、過去の作品は単体の作品をじっくりと見る楽しさを。展示を通じてその両方を体験していただけます。
こちらは昨夏に発売された、古賀さんによる絵本『ゴトガタ トラック』(福音館書店)。絵本に登場するトラックも展示していますので、ぜひ絵本とあわせてご覧ください。
これまでに古賀さんが作られた絵本やポストカードも販売しています。
繊細かつ驚異的なクラフトワークで作られていながら、それを感じさせない軽快かつ面白みに満ちた古賀さんの作品。新境地「still life」の作品ではその魅力にさらに磨きがかかっています。
一部を除き、作品はすべてお買い求めいただけます。ぜひ会場で直接ご覧ください。
[会場]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(CLASKA 2F)
[会期]2018年12月15日(土)~2019年1月14日(月祝) 11:00~19:00
*12月30日(日) は11:00~18:00、12月31日(月)~1月3日(木) は休業、1月4日(金) より通常営業
*作品のお電話やメールでの通販は承っておりません。予めご了承ください。