陶芸家・森脇靖さんの個展が CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店で始まりました。
生まれ育った島根の土や釉薬を生かして、広島との県境に近い邑南町のアトリエで器を制作されている森脇さん。約2年ぶり・4回目の今回の個展にもたくさんの「日常の器」を届けてくださいました。
森脇さんの定番の色合いとしてこれまで展開されてきた、マットな白と深みのある青緑。今回は新たな色味が加わりました。
水色を帯びた白地に薄くピンクの膜が張ったような、ニュアンスのある色合い。柄のように入った細かい貫入が美しく不思議で、ついつい眺めていたくなります。艶のある質感、涼しげな色味、そして繊細な貫入もあいまって、まるで氷や氷河のようです。
こちらは定番で展開されているマットな白。少し黄みのあるやわらかな白にところどころ黒点が浮かび、陶土の自然な風合いを楽しめます。
一見同じ白に見えるこの2つの色合いでもこれだけの表情の違いがあるのですが、使用されている土や釉薬はすべて一緒だというので驚きです。釉薬の重ね方や焼き方を変え、色を作り分けされています。
どんな重ね方をしたらどんな色味になるか、森脇さんも最初はわからないそうで、今回の新たな色味も様々な試みの中で偶然生まれたもの。「焼き上がったらこの綺麗な色になっていて、感動しました」と嬉しそうな表情で教えてくれました。
そんな色合いと様々な形からなる器のラインナップから、こちらでは一部をご紹介します。
ティーポットにマグカップ、徳利とお猪口。同じ素材で出来ているからか、違う色合いのものを組み合わせても統一感があります。セットで使ったら、お茶の時間・お酒の時間がより一層美味しく楽しいものになりそうです。
食卓やお膳に並べておかずを取り分けるのにぴったりな小鉢に、煮物をたっぷりと盛り付けたい深皿。ほぼ平らな台皿はサイズも様々で、ちょっとしたお菓子やおつまみを乗せるお皿として、またアクセサリー置きにしても素敵です。
人気の花器も色んな形が並びました。一輪をさりげなく飾っても、何気ない草花をばさっと活けても様になります。
大きい花器はすべてマットな白。このくらいのサイズ感になると、道具としての器という側面より、人のような立ち姿を意識して制作されるそう。その存在感やそれぞれの形の個性を大切にするため、色は白のみで作られています。
森脇さんの器は、轆轤での形作りや釉薬がけ、窯での焼き上げまで、ひとつひとつの工程で作品一点ずつに向き合いながら、すべて丁寧な手仕事で作られています。
色んな偶然が重なり合って完成した、それぞれの唯一無二の色と形。ぜひお手に取ってご覧いただき、ご自身の手にフィットするもの、目に惹かれるものをゆっくりとお選びいただけたら幸いです。皆さまのご来店をお待ちしております。
[会場]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(CLASKA 2F)
[会期]2019年7月6日(土)~28日(日) 11:00~18:30