「東京で、熊さんかい? by 東京903会」が始まりました。

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木彫り熊の展示会「東京で、熊さんかい? by 東京903会」が CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店で始まりました。

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ここ数年じわじわと注目を浴びつつある木彫り熊。編集者・安藤夏樹さんが代表を務める「東京903会(くまさんかい)」は、その魅力を広めるべく日々研究・発信をされています。

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会場では、安藤さんご自身のコレクションを中心に、貴重でバラエティに富んだ木彫り熊の数々を展示しています。本ブログではその奥深い世界のほんの入り口をご紹介していきます。

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北海道の木彫り熊が発祥したのは、道南の渡島半島に位置する八雲という町。1920年代に遡ります。尾張徳川家がスイスで購入したペザントアートの木彫り熊を日本に持ち込み、八雲の農民たちに制作を奨励したことから始まりました。

冬の農閑期に制作することで楽しみながら収入にも繋がった熊彫りは、農村芸術として隆盛。のちに「八雲農民美術研究会」が組織され、八雲らしさの確立やブランド化も進んでいきました。また旭川ではアイヌによる木彫り熊が、また白老でもたくさんの作家が誕生し、北海道全体の観光土産の定番として根付くまでになりました。

会場には、八雲を代表する作家の、今ではもうあまり見ることのできない貴重な木彫り熊が並んでいます。

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茂木多喜治さんによる木彫り熊。八雲の熊彫りの特徴である「菊型毛」「内股の前足」「ガラスの目」が際立っています。

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柴崎重行さんによる熊。右奥の濃い色合いの2体は親子熊で、親の方は今回の展示のDMビジュアルになりました。実際の毛並みを描くように細かく彫る「毛彫り」に対し面で構成した「面彫り」という手法のうち、柴崎さんが確立した独自の「ハツリ彫り」が有名です。

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鈴木吉次さんによる超大作!八雲入植100周年の記念として、1978年に作られました。

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抽象的な作風が特徴の根本勲さんの熊。まるでオブジェのようです。

すでに木彫り熊ファンの方にとっては、名だたる作家陣それぞれの個性や特徴をじっくりと鑑賞いただけるまたとない機会です。そして木彫り熊に馴染みのない方も楽しくご覧になれる面々が揃っています。

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荒々しく吠える熊、コロンと穏やかに座る熊、はてはスケートをしたり船に乗ったりと擬人化された熊。一体ずつ異なるそのポーズや表情は見ているだけでも面白く、木の塊からこれだけ多彩な熊を掘り出す技術は想像するだけで関心してしまいます。

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今回の展示は、安藤さんが何年もかけて取材を重ね完成させた渾身の図鑑『熊彫図鑑』の出版を記念したもの。会場ではこの読み応えたっぷりの図鑑を先行販売しています。(ピンク版のみ販売・グレー版は八雲内限定で販売予定)

八雲の熊彫りの歴史から始まり、約220点に及ぶ八雲の木彫り熊の写真と情報がまとまっています。会場で展示されている木彫り熊の多くが図鑑に掲載されているので、ガイドとして図鑑を見ながら展示をご覧いただくのもおすすめです。

「八雲の熊のきほん」「八雲の熊の種類」ページでは表紙も手がけた Shapre さんのイラストでわかりやすく八雲の熊の見方や楽しみ方を教えてくれます。

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Shapre さんのイラストの原画も展示販売中。手ぬぐいやTシャツ、マスキングテープなどのグッズもお土産にどうぞ。

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ビンテージの木彫り熊の販売コーナーも。大小様々、北海道で掘られてそれぞれの歴史を辿りここに流れついた熊たちを、ぜひご自宅に迎えてみてはいかがでしょうか。

8月17日(土) にはトークショーを開催。ブランディングディレクター・福田春美さん、 雑誌「PAPERSKY」編集長・ルーカスB.B.さん、そして安藤さん、3人の木彫り熊愛好家による「熊座談会」をどうぞお楽しみに。ご予約は残り席僅かとなりました。(ご予約が満員に達したため受付を終了しました。当日立ち見でのご案内は可能です。)

また、8月24日(土) には八雲町木彫り熊資料館の学芸員・大谷茂之さんと安藤さんのトークショー「そうだったのか!熊彫史」も開催決定!貴重な話を伺える機会ですのでぜひお越しください。

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会期は9月8日(日) まで。写真では伝えきれない個性や魅力を持った、たくさんの木彫り熊たちが会場でお待ちしています。夏後半のお出かけに、夏休みの想い出に、ぜひお越しください。

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[会場]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(CLASKA 2F)
[会期]2019年8月10日(土)~9月8日(日) 11:00~18:30


■トークショー第1弾「熊座談会」 ※無料、ご予約優先
[日時]2019年8月17日(土) 15:00~
福田春美(ブランディングディレクター)× ルーカスB.B.( 雑誌「PAPERSKY」編集長 )× 安藤夏樹(東京903会)
詳細は、東京903会の Instagram にて。
[日時]2019年8月17日(土) 15:00~ 
[定員]30名様
[ご予約]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店 店頭またはお電話にて承ります。 TEL:03-3719-8124
*ご予約が満員に達したため受付を終了しました。当日立ち見でのご案内は可能です。

■トークショー第2弾「そうだったのか!熊彫史」 ※無料、ご予約優先
大谷茂之さん(八雲町木彫り熊資料館の学芸員)× 安藤夏樹(東京903会)
詳細は、東京903会の Instagram にて。
[日時]2019年8月24日(土) 15:00~
[定員]30名様
[ご予約]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店 店頭またはお電話にて承ります。 TEL:03-3719-8124
*ご予約が満員に達したため受付を終了しました。当日立ち見でのご案内は可能です。

プロフィール
大谷 茂之(おおや しげゆき)
1985年9月14日生まれ
愛知県北名古屋市生まれ。名古屋大学大学院博士課程前期課程で動物考古学を学び、北海道の貝塚発掘調査がきっかけで八雲町に学芸員として就職。新規開館した八雲町木彫り熊資料館の展示を担当し、業務のかたわら木彫り熊と尾張徳川家について調査している。また個人として、八雲の歴史スポット等を案内する「八雲語りべの会」や、八雲でのジオパークを考える「ユーラップジオパーク構想準備会」に参加し、いわゆる「町の宝物」を掘り起こし広く知ってもらう活動にも携わっている。


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